■ 真夏の悪夢。
それは一昨日の事である。
茹だる様な暑さもひと段落した夕暮れ時、帰宅した私は、いつものように車庫の前に車を停めた。
家に電話を掛け、ソラに車庫の扉を開けるよう指示する。いつものルーティーンである。
車庫内の明かりが点き、扉の鍵を開けるソラのシルエットが扉の窓越しに見える。
ふと目線を下に遣ると、その扉の窓に何やら見慣れぬ影がある。
それは黒くてもぞもぞと蠢いている。まるで蟲のようだが、妙に大きい。蛾でもない、カナブンでもない。かと言って忌わしき害虫、ゴキブリでもないようだ。
目を凝らしていると、それには角が生えているように見える。脚は六本である。
ソラはその蟲に気付くと、弾かれた様に扉から離れて右往左往している。それを擦りガラス越しに見ていたのだが、そこで漸く気が付いた。その蟲は、カブト虫である。
そう云えば、車庫内に見慣れぬ匣が置いてあった事を思い出した。
その匣には黒い土が入っており、上から目の細かいネットが被せてあったはずだ。過去の記憶を手繰り寄せると、多分その匣には、私の大嫌いな蟲の幼虫が生息しているはずだった。
・・・もしや・・・
最悪の事態が頭を過ぎる。幼虫として車庫内に生息していた筈の蟲達が、一斉に成虫となり匣から逃げ出したのだとしたら・・・今頃我が家の車庫内は、夥しい数の蟲達が蠢く瘴気に覆われた腐海と化している可能性が・・・
・・・想像しただけで、気が遠のきそうである・・・。
それ以来、車庫内に入ることは禁忌となっている。
果たして腐海を焼き払い、人間の世界を手に入れる事は叶うのであろうか。
早く巨神兵を復活させねばならない。
茹だる様な暑さもひと段落した夕暮れ時、帰宅した私は、いつものように車庫の前に車を停めた。
家に電話を掛け、ソラに車庫の扉を開けるよう指示する。いつものルーティーンである。
車庫内の明かりが点き、扉の鍵を開けるソラのシルエットが扉の窓越しに見える。
ふと目線を下に遣ると、その扉の窓に何やら見慣れぬ影がある。
それは黒くてもぞもぞと蠢いている。まるで蟲のようだが、妙に大きい。蛾でもない、カナブンでもない。かと言って忌わしき害虫、ゴキブリでもないようだ。
目を凝らしていると、それには角が生えているように見える。脚は六本である。
ソラはその蟲に気付くと、弾かれた様に扉から離れて右往左往している。それを擦りガラス越しに見ていたのだが、そこで漸く気が付いた。その蟲は、カブト虫である。
そう云えば、車庫内に見慣れぬ匣が置いてあった事を思い出した。
その匣には黒い土が入っており、上から目の細かいネットが被せてあったはずだ。過去の記憶を手繰り寄せると、多分その匣には、私の大嫌いな蟲の幼虫が生息しているはずだった。
・・・もしや・・・
最悪の事態が頭を過ぎる。幼虫として車庫内に生息していた筈の蟲達が、一斉に成虫となり匣から逃げ出したのだとしたら・・・今頃我が家の車庫内は、夥しい数の蟲達が蠢く瘴気に覆われた腐海と化している可能性が・・・
・・・想像しただけで、気が遠のきそうである・・・。
それ以来、車庫内に入ることは禁忌となっている。
果たして腐海を焼き払い、人間の世界を手に入れる事は叶うのであろうか。
早く巨神兵を復活させねばならない。




